音楽屋のわたしが母から教わった、やっぱりライブは凄いということ

ギターと女

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先日、あなたにライブを楽しんでもらうにはカフェという選択肢が必要だとお話しした。「え、なんでわたしにそんなにライブを楽しんで欲しいの?わたしのこと好きなの?」と思ったことだろう。

参照:【わたしがカフェを取材する理由2】カフェで観るライブの方が、ライブハウスより楽しめる

まあ待て、落ち着け。今回は、わたしがなぜあなたにライブを勧めるのかについてお話ししよう。

 

音楽は“あたりまえ”ではなくなった

あなたもご存知だろうが、近年音楽業界では「音源(CD、ダウンロードなど)が売れない」という悲痛な叫びが響き続けている。

確かに売れない。あまりにも複雑な問題なのでここでは詳しく触れないが、わたしが知るだけでも本当に色んな問題が絡み合っている。2014年は個人的にずっとこれを考え続けていた年だった。もちろん答えは出ていない。

 

ただ、一つ気付いたことがある。音楽の「あたりまえ度」が急降下しているということだ。

例えば、LINEスタンプを買う。スマホゲームで課金する。こういった行動は最近、あたりまえに行われている。

だが決して、「音楽買うぐらいならスタンプ買うわい!」と考えての行動ではないだろう。

自分の価値観に基づき、音楽よりスタンプの方が優先順位が上だと、いちいち判断して購入している人なんていない。真面目か。

 

ただ単に、音楽を買うことよりスタンプを買うことの方が“あたりまえ”だからなのだ。さまざまな娯楽が増えた結果、娯楽の最前線だったはずの音楽はもはや、あたりまえではなくなったのである。

じゃあ音楽をあたりまえに買ってもらえる様に努力すればいい、という話になるのだが、これがなかなか難しい。

あたりまえ度が下がっている人にむけて、ただ「音源買ってください!」と言っても、まず響くことはないだろう。

 

ライブという“リアルな体験”のすごさ

「普通にやっても駄目なら、どうすれば買ってもらえるか」わたしはずっとそんな風に考えてしまっていた。そのせいで大事なことに気付くのが遅れてしまった。

よく考えると、本当の目的は音源を買ってもらうことではなかったのだ。

音楽があたりまえではなくなった人、つまり「音楽は別に嫌いじゃないけど、さほど好きな訳でもない」という様な人たちに、もう少し音楽を身近に楽しんでもらいたい

本当の目的は、少なくともわたしにとってはこれだったのである。この目的を果たすために、わたしはあなたにライブの楽しさを味わって欲しいと思っているのだ。

 

かつてわたしは音楽サークルに所属していた。

そこで、コピーバンドのライブを観て本家のバンドに興味をもち、好きになるという経験を何度もした。それも、本物のライブは一度も観ていないのにだ。

これはわたしが音楽屋だからではない。以前、ライブ形式の音楽番組を観ていたときのことだ。隣で観ていた母が突然、その日の出演アーティストにハマッた

別に初めて知ったアーティストという訳ではなく、歌ったのは有名な定番曲だったにもかかわらずだ。しかも、その場でiPhoneを手に取りiTunesでその楽曲を購入し始めるではないか。これには驚いた。

ライブにはこういった力がある。音楽ファンだけではない、ただのオバチャンをも一瞬で虜にする力があるのだ。

 

案内人になりたい

とはいっても、馴染みのない人にとってはある程度、ライブの敷居は高いだろう。

せっかくカフェを会場にしたところで、普段はカフェなら抵抗なく入るはずの人でも「自分が入る場所じゃない」とか、「今日はなんかライブやってるらしいから、また今度にしよう」とか。気持ちはよくわかる。

わたしは、そういう人が今より、音楽を少しでも好きになるための案内人になりたいのだ。

 

いずれ、この目的に沿ったイベントも企画しようと考えている。

「音楽、ライブ=自分には関係ないやつ」と反射的に思ってしまう様な人でも楽しめる場を提供したいと思っている。そのときはあなたも是非、安心して遊びに来てみて欲しい。乞うご期待。

さよならを言うのがこんなにもつらい相手がいるなんて、ぼくはなんて幸せなんだろう。さようなら!

 

 

煤渡(@sswtr_in_cafe)