冴えない奴らの悪ふざけを極めたバンド、SAKEROCK解散

先日、SAKEROCK(サケロック)というバンドが、6月のライブを最後に解散すると発表しました。

4/8にラストアルバムを発売し、6/2に両国国技館にてラストライブを行うとのこと。

そのチケット先行抽選に落選したので、今回は腹いせにSAKEROCKについて好き勝手書こうと思います。

 

SAKEROCKとは

彼らはいわゆる「インストバンド」と呼ばれる種類のバンドです。歌がない、楽器だけで構成されるバンドですね。

2000年に星野源伊藤大地田中馨、野村卓史の四名で結成。2002年に野村さんが脱退し、入れ違う様にして浜野謙太が加入。

最近のインストバンドがもつ「お洒落さ、格好良さ」の様なものとは、一線を画す音楽性が持ち味です。

バンド名の由来であるマーティンデニーの「SAKE ROCK」という曲からも、その影響を見て取れると思います。是非ご一聴。

 

悪ふざけの極み

これはあくまで最上の褒め言葉として言いますが、彼らがやっていることは究極の悪ふざけなんです。

それも、クラスで中心になって目立っているグループではない、あまり目立たないところで少なからず鬱屈としている男子たち

そういう奴らが、ただ面白さを追求しているだけのつもりで、内輪ノリで本気の悪ふざけをしているとき、そこには圧倒的なエネルギーが宿るものなんです。本人たちは、ただ楽しんでいるだけなので気付かないんですが。

そんな悪ふざけがどんどん極まっていって、やがて内輪だけでは抑えきれずに外に向かって放出されていった。わたしはSAKEROCKに、そんなイメージを抱いています。

 

なかなか言葉では伝わりづらいでしょうか。ならば、一番ぶっ飛んでいるのを観て聴いてもらうのが手っ取り早いですね。

これがオフィシャルビデオですよ。意味不明。異常すぎて、恐怖すら覚える

監督が「山田一郎」と書かれていますが、これは星野源が主宰の映像制作ユニット(山岸聖太、大原大次郎が参加)の名称です。

あまりに狂っていたため、このビデオは2009年SPACE SHOWER Music Video Awardsの「BEST CONCEPTUAL VIDEO賞」を受賞してしまっています。もうこの国は終わりですね。

 

もう一つ紹介します。

このビデオは「会社員と今の私」と題されていますが、アルバムには「会社員」と「今の私」が、それぞれ独立した曲として収録されています。

その二曲を突然一つにまとめてMVを作った上に、この内容。異常ですね。ハマケンの熱演が光ります。

 

若気の至りじゃない

「まあ、まだ若い頃だろうからこういうノリもギリで許せるんじゃね?」と思いますか。

残念ですが、これはただの若気の至りではありません。今もまだ続いています

2013年発表の、星野源ソロ作。まだまだ異常です。ダンサーも、一人では満足できず増えています。

 

こちらはアニメーションMVですが、プロデュースはやはり星野源。

くも膜下出血の影響で本人が出演できないということで、自分で絵コンテを描いて制作したとのこと。死にかけながら何してんだこの人は

 

解散前夜

話をSAKEROCKに戻します。2010年に、当時二年ぶりとなるアルバム「MUDA」を発売。

それまでは、脱退した野村さんが結局サポートで参加したり、他のミュージシャンも参加したりと、メンバー4人での表現に留まらない楽曲が目立っていました。ですが、この「MUDA」では"4人だけの地に足の着いたやつを作りたい"とのコンセプトで、一転してシンプルで骨太なサウンドに。

ムダってなんぞや? SAKEROCKインタビュー - 音楽インタビュー : CINRA.NET

これを聴いたときは新たな風に期待したんですが、この後2011年に、ベースの田中が脱退。星野(ギター、マリンバ)、伊藤(ドラム)、浜野(トロンボーン)の3人編成に。

ハッキリ言って、メンバーだけではライブもレコーディングも満足にできない状態になりました。

源さんはソロ活動が軌道に乗り、大地さんはドラマーとして人気が上昇、あちこちのライブへ出演。ハマケンは自身がボーカルをつとめる「在日ファンク」の活動が精力的に。それぞれ、個人の活動が今まで以上に盛り上がっていきました。

 

気付くとSAKEROCKの名前を聞くことは少なくなり、このままフェードアウトかと思っていると、2014年1月にはベスト盤が発売

わかる人にはわかると思うんですが、このベスト盤発売によってわたしの中では解散がほぼ確定したんです。こりゃもう終わるつもりかなと。

それでも、ベスト盤に収録されたこの新曲のMVを観て、案外まだやるつもりかもしれない、と淡い期待を抱いたこともありました。

こんなに尖っているMVは初めて観たんです。「解散前にベスト出しとこうとか、そんなんじゃねえよ。ふざけんな」とでも言っている様な気がしたほど。

わたしが解散してほしくないと思っているから、そう感じただけだったんですね。「きっぱり解散するしかないのかな、と思いながらこのMVを編集した」と、源さんが語っています。

SAKEROCKオフィシャルサイト

 

5人で終われることが嬉しい

今回のラストアルバムには、脱退した野村&田中の2人が参加しています。源さんのメッセージから引用。

この1枚で思い残すことなく、自分が結成当初から目指していた音、インストバンドSAKEROCKのすべてを出し切ることができたと思います。

6月のライブをもって、SAKEROCKは5人で解散します。

5人で同時に終われるということが、本当に嬉しい。

SAKEROCKオフィシャルサイトより - 

はあ、ラストライブ行きたい...。言葉にならなくなってきたので、この辺で失礼しますね。あなたに少しでも、SAKEROCKの異常さに触れてもらえたならそれだけで良いんです。

さよならを言うのがこんなにもつらい相手がいるなんて、ぼくはなんて幸せなんだろう。さようなら!

 

 

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