【ハウル】ソフィの見た目はなぜ変わる?ジブリから女心を学べ

「娘と母」だまし絵

photo credit: Museo Ilusionario via photopin cc

ご機嫌よう、煤渡(@suswatari88)です。

「ハウルの動く城」の劇中で、なぜソフィは若く戻ったり、また年寄りになったりするのか。誰もが気になる点ですよね。

そして、ほとんどの人は、何となくわかった気になったままにしているかと思います。ですが、このポイントがあいまいでは、この作品を理解することはできません

正直、今回の考察はなかなか難航しました。この作品を理解するにあたり、いわゆる「女心」への理解が必要不可欠だからです。

女性からの人気が高い気がする作品ですが、男性こそこの作品を理解する・理解しようと努力することで、もしかしたらモテる力が手に入るかもしれません。保証はしません、考察に入ります。

 

ソフィの見た目が変わる理由

さて、ソフィの見た目はなぜ変わるのか。その理由は、気持ちの年齢に応じて、見た目の年齢が変わっているからです。

実はこれ、ファンタジー作品とはいえ、別に特別なことではありません。同じ経験は、あなたにもきっとあるだろうと思います。

例えば童心に帰って、なにかを楽しんでいるとき、人は若返ってみえますよね。反対に、疲れきっていたりすると、いつもより老けてみえます。ソフィの場合、呪いの力によってその度合いが大きくなってしまったと考えるのが妥当かと。

そして、この見た目年齢の変化と、セリフを丁寧に紐解くと、この作品がよりハッキリと見えてきました

 

自分の我慢に気付く

ソフィは初め、あきらめています。美しくないからパーティへ行って楽しむこともしない。長女だから、家の帽子屋を守らなければならない。

こうした気持ちのせいで、最初は呪いによって90歳ほどのおばあちゃんになってしまいます。けれども、実はソフィはあきらめた「つもり」になっていただけなんです。

 

物語の中盤、ハウルの髪が黒くなってしまったときのこと。「美しくなければ、生きていても仕方ない」と、ハウルが落ち込んでしまいます。これを見て、ソフィは「私は美しかったことなんか、一度もない!」と激怒しました。

本当にあきらめていたなら、ここでソフィは怒らないでしょうね。そしてこの後、ソフィは城の外へ飛び出して号泣します。

あきらめていたつもりが、自分はただ我慢していただけだった、と気付いたんでしょう。気付いたことで、我慢を溜め込んだダムが崩壊した訳です。

このとき、ソフィの顔つきが多少若くなっています。また、この「激怒→号泣」以降は背筋も伸びて、最初よりも少し若い姿のまま物語が進んでいきます。

 

ハウルへの恋心に気付く

次は王宮で、サリマンと会う場面。サリマンの言葉に対して、「ハウルはそんな人間ではない、私はそう信じる」とソフィは強く反論します。

この時、ソフィがみるみる若返り、しまいには完全に元に戻っています

これは、ハウルへの恋心によるもの。その恋心がソフィを若返らせています。けれども、本人はまだ自分の気持ちに気付いていない。もしくは、恋することを認めようとしない。

その証拠に「ハウルに恋してるのね」と言われた瞬間、すぐさま老婆になってしまいます。自分が恋なんて、という思いがまだ強く残っているのだろうと思います。

 

しかしその夜、ソフィはその恋心と向き合いました。夢の中でハウルに「あなたを愛している」と告げています。この場面はソフィが元の姿に戻っているので、睡眠中=夢の中ととらえるのが自然です。

また、目が覚めたソフィは「勇気を出さなくちゃね」と、自分に言い聞かせる様につぶやいています。ハウルへの恋心としっかり向き合う勇気。そして、それをハウルに伝える勇気。ソフィはこの時、決心したんです。

ただ、今までの生き方から察するにソフィはこれが初恋でしょう。後に荒地の魔女に「恋したことある?」と、不安げに相談もしています。決心はしたものの、いざとなると勇気が出ない、もどかしい時間が続きます。

 

あと一歩の勇気が出ない

城が引っ越した場面。ハウルは、ソフィに花畑をプレゼントしました。このときのソフィの気持ちは説明不要です。見た目も、髪は白いままですが元の年齢まで若返っています。とても嬉しそうです。

けれども、ソフィはまだまだ不安なんです。「ハウルが何を考えているのかわからない」とも発言しています。

ハウルは怪物なのか。いつかどこかへ行ってしまうのか。ソフィはさまざまな不安を抱えながら、「本当のことを言って」とハウルに伝えます。

 

「ソフィたちが、安心して暮らせるようにしたい」と答えたハウル。それは、ソフィが欲しい言葉ではありませんでした。

自分のことをどう思っているのか。一緒にいてくれるのか。結局、ソフィはこれが聞きたかったんです。

「ハウルの力になりたいの。私キレイじゃないし、掃除ぐらいしかできないから...」と、ハウルへの愛を伝えることができず、また老婆になってしまいます。

 

やっと聞けた言葉

そんな中、ついに戦争の火種がソフィたちにまで届いてしまいます。ソフィも命の危険を感じ、見た目はすっかり元の若さです。

ここへ、ハウルが助けに入ります。生きて帰るかもわからなかったハウルに、思わず抱きつくソフィ。

その気持ちはハウルに伝わったことでしょう。さすがのソフィも、勇気が出ないなどと言っていられる状況ではなくなったんですね。

 

さらに、再び戦場へ行こうとするハウルに、「行ってはダメ!ここにいて。一緒に逃げよう」と、言葉でも精一杯気持ちを伝えます。

そして、ここでやっとハウルの気持ちを聞けたんです。やっと、ソフィは聞きたかった言葉を聞けたんですね。女性陣歓喜のこのセリフです。

僕はもう、十分逃げた。ようやく、守らなければならないものができた。君だ。

くそかっこいい。この言葉を残し、ハウルは戦場へ戻ってしまいます。ですが、もうソフィが老婆になる理由はなくなりました

ここからのソフィは、ハウルを愛するため、そして守るために一直線です。もちろん見た目も、元の若さのままで物語が進みます。以上が、ソフィの見た目変化を紐解いてみた結果です。

 

おわりに

女性にしてみれば、言われなくとも当たり前にわかる話なのかもしれません。ですが、こうやって整理して説明されないと、おそらくほとんどの男性はよくわかっていない。わたしも然り。

荒地の魔女も言うように、男ってのはどうしようもない生き物なんです。女性の皆さん、どうか大目に見てやってください。

男性の皆さんは、ソフィに感情移入して泣けるまでハウルの動く城を見続ければ、今より少しはモテるかもしれません。保証はしません。

さよならを言うのがこんなにもつらい相手がいるなんて、ぼくはなんて幸せなんだろう。さようなら!