【インタビュー】究極の禁煙カフェ、MODeL Tはこうして生まれた

cafe modelt店内先日紹介した池袋の禁煙カフェ、MODeL T。たっぷりとお時間を頂き、店主の内藤さんにお話を伺った。静かなこだわりと、お客さんへの自然な思いやりを感じることができた。

知っているあなたも知らないあなたも、もっとこのお店が好きになる様な、そんなお話が満載である。紹介記事の方には載らなかった写真もお見せしよう。

ありがたいことに、中々の長文インタビューだ。是非お気に入りのカフェで、ゆっくりと楽しんで欲しい。

 

文章:煤渡(@suswatari88)
写真:HAN YUMA

デジタル化できない飲食の道へ

――本日はありがとうございます、宜しくお願いします。こちらのお店は2006年からということで。

内藤さん(以下敬称略):はい。もう8年になりますね。

――この「禁煙カフェ」というスタイルは最初からなんでしょうか?

内藤:そうですね。そこは絶対というか、最低条件で。煙草がほとんどアレルギーのような感じで苦手で、臭いだけで鼻がつまったり気持ち悪くなったりしてしまうんです。当時はまだ中々、カフェで禁煙というところがなくて。まだ多分どこにもなかったと思います。分煙はしていても結局意味がない状態のお店しかなかったので。

――なるほど、確かに8年前だとそうですよね。

内藤:今は当たり前になりましたけどね。当時は全然なくて、せっかく雰囲気がいいお店でも居心地が悪いというか、耐えられなかったので。もったいないなあと思っていました。

――カフェを始めようと思ったきっかけは何かあったんですか?

内藤:もともとグラフィックのデザイナーをやってたんですけど、疲れた時にカフェへ入って癒されるというか、生き返るというか、そういったことを味わって。飲食はデジタル化できなくていいなって思ったんです。そのころ、15~16年前ぐらいかな、何でもデジタルで進んでいて、パソコンなんかもどんどん普及していて。けれども、飲食だけはデジタル化できなくて、ちゃんとデジタルじゃない空間を味わえるというか。

しかもこの先もデジタル化することはないかな、という印象があったので、ちょっとデジタルに疲れた時に、飲食いいなあと思いましたね。それで、カフェが一番なじみやすいというか。あと展示とかそういった他のこともやりたかったので、気軽に入ってそういうことにも触れられるものをやりたいと思って、それでカフェを選びました。

cafe modelt 店主

店主の内藤さん

――いまでも展示などはやっているんでしょうか。

内藤:いや、最初の頃は結構展示とか、演劇とかライブとかずっとやってたんですけど、だんだんカフェが人気になってくると両立が中々難しくなってきて。なので、3年ぐらい前からはほぼカフェで。今はごくたまに、昔やった人がまたやりたいと言ってくれた時にやるぐらいですね。

――へぇ、カフェで演劇って面白いですね!

内藤:最近は結構流行ってるみたいですよ、カフェ公演っていう。昔は珍しかったみたいですけど。今はみんなあちこちでやってるみたいです。まあカフェ公演っていうと、そんなに大きいものじゃないですけどね、朗読劇だったりとか。ウチの店だとキッチンも使えたので、カフェのキッチンを舞台にして客と店員のやりとりだったり。

――全然知りませんでした、面白いなぁ。

 

ゆったりできる空間を目指して

――お店のデザインというか、プロデュースはご自身で?

内藤:そうですね、プロデュースってほどのものでもないですけど、何でもできる様にまずはただの四角い箱(の空間)を作って。

――テーブルや椅子も自作していると聞きました。

内藤:いくつか自分で作ったものもあります。といっても、裏から見ると結構適当なんですけど(笑)。中々合うサイズのがなくて、ずっと探しててもなかったんで結局自分で作った方が早いと思って。椅子だと座面を自分で張り替えたり。コースターも友達が作ってくれたり、ちょっとしたものを自分で作ったりしてます。このクッションもこの前作ったばっかりですね、カバーをかけて。

――もしかしてこの椅子(わたしが座っていたもの)もそうですか?

内藤:そうなんです(笑)。その椅子はボロボロのやつで、まあ巻いただけなんですけど、だいぶスプリングがへたってきちゃってます。そろそろ中もやらないといけないかなと。そうやって、ちょくちょくメンテナンスしつつやってますね、結構古いのばかりなので(笑)。

――そうやって自分で作り上げているからか、お店の雰囲気がとてもいいですよね。落ち着きます。

内藤:ありがとうございます。なるべく落ち着ける、少しゆったりとできる様にしてます。カフェといっても、結構隣が近かったりしてギュっとしてるお店が多いので。ゆったりと、のんびりくつろげる様な雰囲気を目指してやってますね。

 

お店を支える友人の作品

cafe modelt器

田中遼馬氏の作品

cafe modelt器

小西良氏の作品

――食器は全て、ご友人の作品ですか?

内藤:そうですね、友達の作品です。もともとそういう(陶芸)作家さんの器でやりたいと思っていて探してたんですけど、オープン時に作家の友達が作ってくれるというのでやっちゃおうかなと思って。4名の作品を使ってます。

 

cafe modelt器

比留間郁美氏の作品

内藤:この黒い器はチャーハンなどをお出しするときに使ってます、このフチのゆがみを利用して、最後の方の粒まで綺麗に食べやすいんです。

――なるほど(笑)!さっきチャーハンを頂いたのに全然気付きませんでした(笑)。

 

cafe modelt器

小山暁子氏の作品

内藤:これは一番新しいお皿です、スイーツ用に作ってもらいました。他の器はオープン前に、多分こんな用途で使うかなって感じで、ざっくりと注文したものばかりなんですけど、これだけは大きさや使い勝手なんかを考えて注文しました。模様とか、細かいディテールはおまかせしましたけど。

――そうすると、ほとんど同じ器がないということですよね。

内藤:そうですね、同じシリーズのものでも結構大きさが違ったり。これ(先ほどのスイーツ皿)も10枚ぐらい頼んで、全部模様が違いますね。お客さんに合わせて使ったりしてます。

 

お茶を普通に楽しんでもらいたい

――こういった、お茶をメインにするというのも最初からだったんでしょうか。

内藤:珈琲が体質的に飲めないんです、気持ち悪くなったりしてしまって。物心付いたころにそれに気付いて、それからは紅茶を飲み始めて好きなので、紅茶・お茶をメインにしようと。あと、友達のお父さんが毎月中国へ出張に行くんですが、お土産でもらった中国茶がどれも美味しくて。それで、紅茶と中国茶がメインになってます。いまでもかなり格安で手に入るので助かってますね(笑)。

お茶がメインというのは、他ではそんなにないかもしれないですね。紅茶、中国茶のお店っていうのはあるんですけど、結構専門的になってしまって、ちょっと入りづらかったり。作法が分からなくて飲みづらかったり。ウチは普通に、飲みやすい様に出して、美味しいとか、いつもと違うなとか感じてもらえればいいかなと思ってます。

cafe modeltメニュー表

手作りのメニュー表

――確かに、中々お茶のカフェはないので面白いです。店内の照明の位置はなにかこだわりがあるんでしょうか。写真を撮っていても光の入り方がとても綺麗だなと思って。

内藤座ったときにまぶしくない様にと、あと(お客さんが)写真を撮るので、横からの光が多いかな。横からだと料理を撮るときに暗くならないんです。後ろからだと、どちらかの人は自分の影で暗くなったり、どちらかの人がまぶしかったりするので、なるべく横か真上から照らしてますね。

――なるほど・・・(カメラマンとともに感心)。じゃあせっかくなので、もっと撮らせてもらいます!

内藤:どうぞどうぞ。まあ、ブログなんかに書きやすいのはこの黒い器の話ですかね(笑)。

(2015.1 禁煙カフェMODeL Tにて)

 

お店の紹介記事はこちら

Screenshot禁煙カフェMODeL T|同じものは2つと無い、陶芸作家の器に惚れ込んできた