あのひなまつりの歌が間違ってるなんて思いもしなかった+オマケ

本日は3月3日。女子の健やかな成長を祈る、雛祭りである。

 

雛祭りと聞けば、「あかりをつけましょぼんぼりに〜」の歌い出しで有名な、あの歌が頭の中で流れるだろう。

タイトルを知らないって?「うれしいひなまつり」である、覚えておきたまえ。

ところでご存知の通り、この曲はサビのみで構成されている。同じメロディー展開のサビを、4回繰り返して終わる。

その中で、タイトルである「うれしいひなまつり」という言い回しは、4回目のサビの最後にだけ出てくる。なかなかニクイ演出だ。

 

失礼、話がそれた。今回は、そんな名曲「うれしいひなまつり」が犯した、重大な間違いをお伝えしよう。

あなたもおそらく、勘違いしているはずだ。これを読んで、今日からは正しく雛祭りを満喫してほしい。

 

「お内裏様とおひな様」は間違い

この歌を最後まで知らなくとも、「お内裏(だいり)様とおひな様〜」というフレーズぐらいは知っているだろう。

あなたも当然の様に、男をお内裏様、女をお雛様と呼んでいるのではないだろうか。わたしもそうだった。

だが、これがこの歌の犯した、最大のミスなのだ。

 

雛祭りの頂点に君臨する、あの大きく美しい二人の人形。正しくは、それぞれ「男雛(おびな)」「女雛(めびな)」と呼ぶ。

そして、その男女一対のことを指して「内裏雛(だいりびな)」と呼ぶのである。

男をお内裏様、女をおひな様と呼ぶのは間違い。日本を震撼させる、驚愕の事実だ。

 

右大臣は顔があかくない

さらにもうひとつ、この歌が間違えてしまった点がある。

3番目のサビ最後に「あかいお顔の右大臣」というフレーズがある。知らない人も多いだろうが。

だが、雛人形において顔が赤いのは、実は左大臣なのだ。

 

左大臣は向かって右側に置かれるので、ここで左右を間違えたのではないかと思われる。お茶目。

雛人形目線でみて、左側にいるのが左大臣である。気をつけてほしい。

ちなみに、右大臣は若者、左大臣はおじいさんだ。これで簡単に見分けられるだろう。

 

作詞家は「捨てたい」と言っていた

この二つは、「顔が命のよ〜し〜と〜く〜」のCMで有名な人形店「吉徳」の方が証言しており、信頼できる話だといえる。

そして、作詞家のサトウハチロー氏本人も間違いだと知り、「できることなら、この歌を捨ててしまいたい」と語ったそうだ。

参考:捨てたいのに広まった 「うれしいひなまつり」|朝日新聞デジタル

しかし歌はこれだけ広まり、すっかり雛祭りの定番曲となってしまった。名曲の力とは恐ろしいものである。

 

ところで内裏雛の並べ方は?

並べ方の話が出たので、ここで雛祭りの主役二人の並べ方について。

あなたの家では、内裏雛をどの様に置いているだろうか。男雛は右?左?

実は、この二つは代表的に「京都風」「関東風」と呼ばれ、どちらが間違いということはないという。

 

まずは男雛が向かって右(人形目線で男が左)のパターン。これは、京都風と呼ばれる並べ方である。

細かな由来には諸説あるが、この並びは公家(貴族)の装いだそうだ。

古来の日本、および公家では「左上座」という考え方があった。座っている側の目線で、右よりも左の方が格が高いという考え方である。

よって、格が高い「左」に男雛が座っている。京都は公家文化が根付いているので、この様になったということである。

 

一方、関東風。これは京都とは逆に、男雛が向かって左(人形目線で男が右)に座っている。

成る程、関東の人たちはレディーファーストな紳士なのだろうか。残念ながら違った。

武家(サムライ)中心だった関東では、公家とは逆の「右上位」という考え方があったそうだ。また、西洋文化でもこの関東風が一般的な様である。

よって、男雛は「右」に置かれているのだ。女子のお祭りなのになんかスイマセン。

 

オマケ:アメリカ、メキシコ人に聞かせると面白い

さて、ついでにもう一つ。この歌が犯した間違いではないが、この歌に関する面白い話。

アメリカ、メキシコ辺りの人たちに「うれしいひなまつり」を聞かせると、「メキシコで昔流行った歌だ」と答える。

どういうことか、まさかのパクリだろうか。

 

その答えは、この曲にある。聞けばすぐわかるだろう。

 

1960年代に、メキシコのラテングループ「Los Panchos」が発表した曲だ。うん、完全にひなまつり。ちなみに、「うれしいひなまつり」の発表は1936年。

だがパクリではなく、こちらはそのカバーなのである。どうやら、日本の童謡であると、クレジットに表記し忘れたらしい。お茶目。

それにしても、メキシコのグループが1960年代に、よくこの曲を見つけてカバーしたなと。マニアックすぎる。

 

おわりに

というわけで、雛祭りにまつわる間違いの話、いかがだっただろうか。

こういったことは、きっと他にもたくさんあるのだろうと思う。固定観念を疑うことも、時には大切なのである。

ちなみに、戦国時代に落城したのが3月3日だった、という地域では、本日雛祭りが行われないそうだ。いまだに旧暦の3月3日に雛祭りを祝う、という地域もあると聞く。日本の文化面白い。

あなたも今日からは、「お内裏様って間違いだぜ」とドヤ顔で語ってみてはどうだろうか。きっと嫌われるだろう。

さよならを言うのがこんなにもつらい相手がいるなんて、ぼくはなんて幸せなんだろう。さようなら!

 

 

煤渡(@sswtr_in_cafe)